祝「ゴジラ・-1.0」アカデミー賞視覚効果賞受賞!!
ということで山崎監督のVFX戦争映画繋がりで「アルキメデスの大戦」。
映画館・サブスクでも何度か見ている。
数字で、国を救えるか。
日本に必要なのは戦艦ではなく空母だ。
巨大戦艦派が提示した安すぎる大和建造費のウソを看破し。本当の製造費用を弾き出して戦争推進派を打ち負かしてやる。
──これは大和轟沈の12年前の物語だ。
78/100点
山崎監督についてひとつ言うと、人間の感情をあまり重視しているように思えないところがある。
それが顕著なSTAND BY MEドラえもんやドラクエユアストーリーでの所業は原作破壊に他ならないと思う(許してない)が、アルキメデスがこんなに良いのでアンチになれない。
今作は戦争映画らしく人の業にフォーカスしている。
戦争映画で極限状況における人の醜悪さや凄絶さは多く描かれてきた。
あるいは前線ではなく上層部での政治劇。
この映画の舞台はそこからも少し外れていて、冒頭シーン以外は戦闘の描写もない。
生々しさとは別角度からゾッとさせてくる。すこだ。
ぜひこの感情を体験してほしいので具体的ネタバレは控えるが。
ミステリのトリックよろしく、戦慄のネタバラシがあるのも最高ポイントだ。
大和の建造を止めるべく奮闘していたはずが、その沈没シーンから始まっているので「どうしてその結末に?」を辿るミステリと言える。
俳優陣の雰囲気なしにはこの映画は成り立たないのだが、
敵役の橋爪功も良いし、舘ひろしが非常によく、國村隼が特に良!
柄本佑もキャラが立っている。小林克也・小日向文世も雰囲気が生きている。
後半に存在感を出してくる平山造船中将に圧倒された。田中泯です。最高。
正直キャッチーさには欠けるが、激アツだしクソ面白い。
劇中で最低限の背景情報しかないためもう少し補足しても良かったが……
日本を救うため、”帝大数学科の天才”が如何に戦い、大和建造を阻止したか……あるいは失敗したか、を見届けてほしい。