オタクとしてはクトゥルフTRPGで聞き馴染みのあるジャズ・エイジ。
ジャズ・エイジ<狂騒の20年代>のニューヨークを舞台に、毎夜絢爛なパーティーを開く謎の富豪。
彼の正体に興味を惹かれる主人公だったが…。
84/100
贅を尽くした豪華な映像による、時代の熱狂と狂乱の再現。
プラダ、ティファニーなど”さすがに知ってる”レベルのハイブランドが衣装協力しているらしく、説得力がすごい。
画力(えぢから)だけでも一見の価値ありだが、ストーリーは苦しい。
天使みたいな登場をしてあんなに可愛いデイジーが、妖精なみに現実に弱いのが本当に悲しい。
金持ちでも結婚生活は幸せではなく、「女の子は可愛くて頭が悪いのが一番」と零すのが切ないのだが、最終的には夢見がちで弱虫なバカ女になり下がり辛くなる。
視聴者の感覚は語り手のニックと完全にシンクロしてしまっているのだ。
ブキャナンに逃げたところで不幸しかないだろうに。
結局、弱さが悪と結びつくんだよな……
ギャツビーも、傲慢で現実を見ない愚かで悲しい男ではあるが、そうして成り上がったから求める事をやめられない。
急激に成り上がった男の華々しい人生は、実体としては何も残らなかったのだ。
「Young and Beautiful」は胸を打つ名曲なので聴いてほしい。
女性目線なのでどちらかと言えばデイジーの心情に沿うものになっていて、デイジーがギャツビーを信頼しきれなかったのは、お互いの輝きしか知らないからだと思える気がする。
これを「私がオバさんになっても」と同一扱いするのはさすがに死刑