薄ら駄目な3兄弟が、人生の諸々に折り合いをつけられるまで
69/100点
家族に「こうあってほしい」と期待することって大抵叶わない気がする。
一番近くの他人だけあって、無意識に要求しすぎているのだろうか?
などと思いながら。
大体どこを切り取ってもインドの絵葉書のような映画。
ウェス・アンダーソンの作る夢のような色彩と画面が、
アートブックに見入っていたかのような視聴後感をもたらす。
この現実離れした画作りが、ウェス・アンダーソンの
最大の強みでもあり弱みでもあると思っているのだが。
キャラクターの背景を俳優の雰囲気に拠ることで
人生を語る必要性を省略している。
シュールでリアリティの薄い、俳優(の茶目っ気頼り)の演技といい、
今作では特に、話の筋や人物の行動はふわふわしているのだが、
不思議とまた浸りたくなる魅力がある。
・次々と展開がある
・色彩が好み
という2点でグランドブダペストホテルが今のところMYベストアンダーソン。