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『ラストナイト・イン・ソーホー』ホラー弱めで安心して見られるタイムスリップ・サスペンス

ファッションデザイナーを夢見る少女は、夜な夜な過去の少女の夢を見る。

youtu.be

 

59/100点

田舎から出てきたデザイナー志望の少女が、都会での奇妙な体験によってファッション・デザイナーとして成り上がるまで。……が軸でも全然面白そうなのだが、いかんせんこれはホラーなのでそうは問屋が卸さない。


ホラーという割にはあまり恐怖感が煽られないというか、視聴者は怪奇現象に慣れていくが、そこまで含めて演出の計算なのだろうか?

キャッチーな設定だし、絵面・演出も悪くない。が突出したところもない気がする。敢えて言うならエロイーズ可愛くね?という点か。トマーシン・マッケンジー、派手・個性的が良しとされる海外女優に珍しく日本人ウケする可愛さを持っていると思う。
アニャ・テイラー=ジョイも野心と妖しさがハマるキャスティング。
夢を扱った映画は、現実を夢が侵食していく演出が命だと思っているが、これはそこそこかな。
エドガー・ライト監督、『ベイビー・ドライバー』の監督だというが、センスがいい割に期待ほど爆発力がなくまとまった映画になるなあという印象。


夢見る弱者は社会に搾取されていく。
というのがこの映画の悲しみではあるのだが、現代の人間がけっこういい人間もいて悲観することもないよなという意外にも青春映画風の視聴後感。

しかし、サスペンスで種明かしがされる瞬間、is最高。この、戦慄を伴う爽快感のために見てる。
ホラーとしてもR18としても弱めなので、単純なサスペンス映画として楽しめる。子供でもいけそうな気がする。(いくな)

 

主人公の婆ちゃんがなんか怖いのとか、母の幻影とか、引っかかる割になんもなかったが、クライマックスサスペンス種明かし効果により、総じてまぁ悪くない映画だろうという気持ちで終われる。